
みんなの”理想の川”の実現に向けて
釣りに行けば否応なく感じる、魚や川をめぐる状況の加速度的な悪化。年々魚は減っていき、釣り場も遠のいていく現状に対し、自分にはいったい何ができるのだろうと自問する釣り人も少なくないでしょう。
今回の『釣りキチ三平』とのコラボレーションは、Foxfireのブランドテーマである「自然との共生」を明示化した「R.O.D(River of Dreams)」の名を冠する初のコレクションとなります。
日本各地で自然保全活動や魚の増殖活動を地道に続けられている人たちへの活動支援を目的としたもので、川を愛する者同士がまずは”理想の川”の実現に向けた思いを共有するきっかけになってほしいという、切なる願いを込めたものです。
ティムコ(Foxfire)と『釣りキチ三平』
ティムコ(Foxfire)と『釣りキチ三平』は、共に日本のスポーツフィッシングの黎明期を歩んできました。
ティムコは70年代初頭からアメリカのフライ・ルアーフィッシングブランドの日本総販売元としてその普及に努め、1982年には自然の循環にコミットしていくために、自社ブランド「Foxfire」を立ち上げます。
一方『釣りキチ三平』は1973年に連載が始まると、水辺を舞台にした魅力的なストーリー、卓越した自然描写、そして躍動感溢れる釣りの描写によって、子供から大人まで幅広い読者を魅了していきます。
当時はまだ珍しかったルアーやフライフィッシングを、三平くんきっかけで知ったという釣り人もおそらく多いのではないでしょうか。
自然と真摯に向き合うこと
ティムコ(Foxfire)と『釣りキチ三平』が広めてきたのはスポーツフィッシングのたのしみだけに留まりません。
釣り人口が増えてみんなが好き勝手に行動すれば、必然的に魚は減っていき、釣り場も汚れていきます。自然が失われてしまっては元も子もありません。
なので両者とも、釣りの魅力と同じくらいに釣り人としてのマナーや心得であったり、”自然と真摯に向き合うこと”の重要性を説いてきました。そうしたいくつもの共通点が、今回の「R.O.D」としてのコラボレーションの背景にはあるのです。
『釣りキチ三平』からのメッセージ
ここで『釣りキチ三平』の中のエピソードをいくつかご紹介したいと思います。

「クキのドン突き」
三平くんの自然との向き合い方が伝わってくる台詞が「クキのドン突き」というエピソードに収録されています。
三平くんが都会からやってきた大学生の青年を連れて冬の川を歩くシーンでのこと。水辺に集まる動物の行動パターンを熟知している三平くんに、青年が「それだれからおそわったの?」と尋ねると、三平くんは平然とこう答えます。
「こんただことくれえおそわらなくたって、毎日こんただ山ん中でくらしてたら自然におぼえるべ。しいていえば、山や川や動物や魚たちが、だまーっててもみーんなおしえてくれるんだべ」
「イワナ大移植作戦」
「イワナ大移植作戦」は、自然との共生について描かれた秀逸なエピソードです。イワナ止めの滝の上流にイワナを放流して新たな釣り場を作ろうという三平くんのアイデアの実現のためにみんなで奮闘するというもの。
「おらたちは釣るばっかりが能じゃあるめえ…‼️ たまにゃあそだてることをやったってバチはあたらねえと思うだ…‼️」
三平の祖父の一平じいさんは、あらかじめ神さまが決めた自然のあるべき姿を人間の都合で変えてもいいのだろうかと疑問を呈し、それに対して三平くんは、もしそうならば人間は自然とどう向き合っていけばいいのかを真剣に考えていきます。


「茜屋流小鷹網」「簗川流簗秘伝」
川との向き合い方について考えさせられるエピソードに、伝統漁法の鮎師たちとの触れ合いを描いた、「茜屋流小鷹網」と「簗川流簗秘伝」があります。
三平くんは、釣りと違って川の魚を根こそぎ獲ってしまう可能性のある漁を最初は恐ろしいと感じていましたが、鮎師との触れ合いを通じてその考えが変わっていきます。
魚を獲り尽くしてしまえば生活ができなくなってしまうという点で、娯楽としてやる釣り人以上に真剣に魚族保護について考えている鮎師たち。その思いに触れた三平くんは、技を磨いていくよりも、川を殺さず、魚を根絶やしにしない”人格”こそが大切なのだと学びます。
R.O.Dの活動
きっとこの鮎師たちのように、自分の生活圏を流れる川と共に生き、川によって生かされている人たちは日本各地に大勢います。Foxfireが「R.O.D」を通じて活動協力をしている人たちというのは、まさにそういう人たちでもあります。
“自分たちの川”に責任をもって守っていこうと活動し、社会との軋轢や自然に対する無力さにもめげず、地道な努力を積み上げていく、そんな人たちです。
Foxfireスタッフも定期的に支援先の活動に参加しています。彼らの活動を見ていると、失敗さえも次の糧だと思って楽しんでいて、それはまるで三平くんの姿に重なります。川と向き合う時、人は本能的に前向きになれるようにプログラムされているんじゃないでしょうか。

釣りキチ同盟
「おらたちの一方的な都合によって、魚の棲めない川をつくっちゃあならん。たのしい釣りをいつまでもいつまでもやりたいからなあ……」
三平くんは多くの人との触れ合う中でそう考えるようになり、未来の釣り場を守っていくための「釣りキチ同盟」を結成して、最終回を迎えます。
Foxfireも、できるだけ多くの人に川で遊ぶたのしさを知ってもらいたいという思いで、事業に取り組んできました。そしてその延長として、自分たちの川をより良くするための活動にもぜひ参加してほしいと願っています。
一人ひとりの小さなアクションこそが、社会や自然に対して大きなプラスになっていくのではないでしょうか。理想の川の実現は、理想の世界への近道でもあると信じています。
活動協力事例(2025年予定も含む)
R.O.Dと共に日本各地で活動が展開しています。ぜひ今回のチャリティコレクションを通じて、各地の川と繋がってみませんか?

茨城・霞ヶ浦
「NPO水辺基盤協会」水辺環境美化・再生事業

埼玉・秩父
「荒川水系渓流保存会」原種イワナ生息調査

東京・御岳山
「ラニヘッドトレイル」間伐材・近自然工法による登山道整備

神奈川・秦野市
「水無川クリーン&ストライド」丹沢水系の美化活動

山梨・峡東漁協日川
「野生魚育成プロジェクト」自然再生産への環境づくりと調査

山梨・小菅村
「小菅川リバーキーパー」活動 釣人と漁協の協力による釣り場づくり

京都・広河原
「トラウトタウン」Woodstick=川遊び・野遊びの伝承
山梨・道志村
「養老の森」森ワーク(森づくり)
兵庫・揖保川
「ヒラベ(アマゴ)復活プロジェクト」
兵庫・神河町市川
「兵庫トラウトファウンデーション」放流会